コンセプト

いえらぼの3つコンセプト

  • あたたかく健康な住まい
  • 未来の子供たちにつなぐ住まい
  • 家と家具と庭が調和する住まい

1.あたたかく健康な住まい

「住む人に健康な暮らしを届けたい」私たちが住まいをつくる時にまず考えることです。
では、健康な暮らしを続ける為の住まいとは一体どんな住まいなのでしょうか?
答えのひとつとして、私たちは「体を冷やさない住まい」(=高断熱住宅)をお勧めします。

「体を冷やさない住まいは若者の健康も改善させる!?」

近畿大学の岩前篤教授による「高断熱住宅(体を冷やさない住まい)の健康影響度調査」の結果が公開されています。新築の高断熱住宅に引っ越した人を対象に、転居前後の健康状態をアンケート調査した結果をまとめたものです。約3万5千人に行った調査で、回答の中心は、30~40代の働き盛り世代とその子供世代である10代の男女です。これだけの人数の方を対象に行った調査は、他にはなかなかありません。気になる調査結果ですが、高断熱住宅に移って「風邪をひきにくくなった」「ぜん息やアレルギー症状が緩和した」等々の声が寄せられ、下図のような諸症状の改善結果が得られました。断熱性能の高い住宅へ引っ越した人ほど改善率が高いという結果が出ています。この調査の「症状が改善した」というのは、高断熱住宅で暮らす人自身の主観的な感想で、医学的には検証されているとは言えません。しかし、高断熱住宅に住む多くの人が、諸症状の改善を実感しているのは事実です。その理由として、高い断熱性能(体を冷やさない性能)が冬の寒さを緩和したことが考えられます。

各種疾患の改善率と転居した住宅の断熱性能との関係

「冷えは万病のもと、家の寒さは?」

死亡数グラフ

昔から「冷えは万病のもと」と言われています。では、「家の寒さ」はどうでしょうか?
世界保健機構WHOの報告書(LARES Project“Housing and Health in Europe”(2009年発行)では、分析結果として、家の寒さが健康に与える悪影響について取り上げています。寒い家による健康障害については、世界的には常識なのですが、日本ではまだまだ浸透していないのが実情です。
日本の家は昔、夏の快適性が重視されていました。明治時代半ばあたりまでは死亡率が最も高い時期は夏だったのです。これは、夏の暑さで食材が傷み、食あたりで命を落とす人が多かったのが理由ではないかと考えられています。では、冷蔵庫やエアコンが当たり前になった現在、最も死亡率が高いのはいつでしょうか?…答えは冬です。月別の死亡者数では、寒さが厳しくなる11月から3月頃までが最も多くなります(右図)。その一つの要因として、急激な温度変化で体調が急変する「ヒートショック」があります。入浴中の事故死だけで年間19,000人以上と推計され(厚生労働省研究班2014年報告)、交通事故死の4倍以上にもなります。
健康な暮らしを送る為に、家の中を温かく保つことはとても大切なことなのです。

「断熱性能を上げることで費用負担が増えるのでは?」

死亡数グラフ

使う断熱材の量が増えたり、高性能な窓等を使ったりしますので、その分のイニシャルコスト(初期費用)は上がります。反対に、ランニングコスト(維持費用)は、光熱費を抑えられますし、暖房器具の設置数を減らすことができますので削減することができます。下図を見ると、等級(断熱性能)が上がれば上がる程暖房費は下がることが分かります。また、諸症状の改善で医療費も低減すると考えると15年程度で掛けた費用を回収できるという調査結果も出ています。
日本ではこれまで、部屋ごとに必要な時に暖房器具で室内を暖かくする暮らし(各室間欠採暖)が当たり前でした。しかし、このやり方では暖房している部屋とそうでない部屋で大きな温度差が生まれてしまいます。健康の為には、家の中で温度差の無い暖かい家にすることが大切です。これからは、家の断熱をしっかりと施し、最小限の暖房器具で室内を一定温度に保つ「全館空調方式」にすることをお勧め致します。特に床下にエアコンの暖気を送り込んで家中を温める方法は、現在、最もコストパフォーマンスに優れた暖房方式だと考えています。

2. 未来の子供たちにつなぐ住まい

今から50年後100年後の未来を生きる子供たちがいます。その子供たちの生きる時代の地球環境はどのようになっているのでしょうか?

地球温暖化、集中豪雨やハリケーン等の異常気象、エネルギーに関する問題。近年、様々なメディアでさかんに耳にするようになりました。しかし、話がグローバルで大きかったり、実際自分達の身には、不便になる程の影響が少なかったりする為、「自分事に捉えることが難しい。」というのが、現代の多くの人の実情ではないでしょうか?

では、このままで未来の子供たちの住む地球は大丈夫なのでしょうか?
私達は、未来の子供たちにこの地球をつなぐ為に省エネな住まいを普及させていきたいと考えています。

スーパーコンピュータによる気候変動予測

地球シミュレーションセンターのスーパーコンピュータ(地球シミュレータ)を駆使した気候変動予測が下記のように発表されました。(21世紀気候変動予測革新プログラム2007~2011 海洋研究開発機構、東京大学、名古屋大学、気象庁、文部科学省 共同研究)

地球環境予測
気温上昇を2℃以下に抑えようとする場合、今世紀後半には化石燃料の使用による二酸化炭素排出量をゼロ以下にしなければならない。
近未来予測
これからの10年は、地球温暖化が本格化する。
極端現象予測
今世紀末において、台風の発生数は減るけれども、台風の強度は増加する。また台風の経路が、現在よりも東寄りになり、東南アジアへ接近する台風の数が減る。

最近の研究結果(名古屋大学・気象庁2015年)では、温暖化が進んだ将来の気候では、スーパー台風の強度は増加し、その強度を維持して日本などに達することが起こりうるという予想が発表されています。
このように、これからの何年かで地球環境は加速して悪い方向へ進んでいくことが予測されています。

雪国型の低燃費な住まいで経済的に

車を購入する時、皆さん必ず燃費性能を確認して購入しますよね?皆さんの住む住まいにも燃費性能があります。車に乗る時間よりも、家に居る時間の方がはるかに長いので、燃費性能の良し悪しによって、月々の費用負担に大きな差が生まれます。低燃費の住まいに住むことは、地球にやさしいだけでなく、とても経済的なのです。
では、雪国長岡に合った低燃費な住まいってどんな住まいなのでしょうか?
私達の考える雪国長岡に合った低燃費な住まいは、国の次世代省エネ基準で言う北海道基準クラスの断熱性能の住まいです。「太陽光発電を取入れれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、まずは、断熱性能です。冬場の日射量が少なく、雪の積もる長岡ではなおのことです。断熱性能がおろそかな状態で太陽光発電を載せるような行為は、穴の開いたコップに蛇口から水を入れて貯めようとする行為と同じようなものなのです。コップの穴を塞いでエネルギーの漏れを少なくすることが雪国長岡では最優先となります。

資産価値の高い、丈夫で長持ちする家を造る

私たちの会社は近年、中越大震災、中越沖大震災と2度の大きな地震を経験してきました。被害のひどかった地域へ実際足を運び、復旧活動に携わりながら、自然の猛威の恐ろしさを目の当たりにしました。地震国日本において、安心して暮らしていくには、家の耐震性能と構造計画は重要な要素となります。私たちは、1棟1棟構造計算をきちんと行い、使う部材の選定をし、家づくりを行っています。

現代の日本の住宅は新築してから平均30年程度で建替えられているという調査結果があります。これは世界的に観ると圧倒的に短命です。造っては壊すことを繰り返す住まいづくりは、環境負荷が大きく、経済的でもありません。丈夫で長持ちする家を造ることは、お子さんやお孫さんの代まで受け継ぐことができ、家の資産価値が高まります。短命な住まいを何度もお金を掛けて建替えるよりも、長寿命な家を建てて、ケアしながら受け継いでいく方が、経済的かつ省エネなのです。

環境負荷の少ない自然素材・地域材を
使った木の住まいを造ります

加工品は製造段階で大量のエネルギー消費とCO2排出をしますが、自然素材は、建物の材料として使用する時に使うエネルギーが少なくて済みます。そして、廃棄する時も土に還ります。

日本の人工林は、増加している一方で、木材の利用が進まないことにより、「新しい木が植えられなかったり、間伐が進まなかったりしています。これが、土砂崩れの原因になったり、CO2の吸収能力が低下の原因になったりしてしまいます。また、農山村地域の活力低下により、森を守る人が居なくなることも懸念されています。私たちは県産杉を適切に利用することで地域の森林の保全や地球の温暖化防止、循環型社会の形成に貢献したいと考えています。

3.家と家具と庭が調和する住まい

私達の家づくりは量産するのではなく、一邸一邸手作りで行います。職人の技の活きる自然素材を活用した家づくり、住む人や周辺環境に合わせた設計を行います。家で使う家具も、家づくりで使うぬくもりある素材や思想・間取りに合わせて考えると、統一感のある居心地の良い空間が生まれます。

住まいづくりにおいてもう一つ重要な要素に庭( 外構) があります。周辺環境からの影響の良し悪しが室内の居心地を左右させるからです。室内~庭~外部の関係を考えた庭づくりを行う事で気持ち良い暮らしを送ることができます。

「家と家具と庭が調和する住まい」を造ることで、家と一緒に、家具と庭にも永く愛着を持って暮らしてもらうことが理想です。

「永く愛着を持ってもらえる美しい住まいを目指す」

永い年月を経ても美しい家は永く愛され大事にされます。流行りを追ったデザインは10年後,20年後に陳腐化します。過剰なデザインではなく、シンプルでやさしい佇まいにすることをお勧めします。自己主張し過ぎず、風景や近隣に溶け込むような馴染みの良い家が理想的です。住まい手だけでなく地域の人達からも愛着の持たれる美しい家づくりを私たちは目指します。

「「大工の手」による手作り家具の提案」

「大工の手」とは木の家を建てた大工が、家づくりで余る端材や古材・誠実な素材で、デザイナーの設計した、その家に似合う家具をつくり、家と一緒に永く愛着をもって使ってもらう為のプロジェクトです。木の家具をつくると共に心が繋がる新しい家具のかたちです。そして「手仕事を広める運動」です(www.wazawaza.or.jp)。私たちは職人の技の活きるこのプロジェクトに共感し、参加しています。自社大工によるぬくもりのある手作り家具を、心を込めてお届けします。

「庭は暮らしを豊かにします」

庭や植栽は環境に良い影響を与えるだけでなく、住まいの外観や街並みを美しくします。住まい手だけでなく、近隣住民にも良い刺激を与えます。日本の美しい四季の移ろいを感じる癒しの庭は子供の情操教育にも役立ちます。私たちは周辺環境を考慮して住まいと庭を一体的に計画することをお勧めしています。住まいと庭と街に心地よいつながりが生まれ、暮らしを豊かにしてくれます。